2005年05月28日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「猫の皿」の回

 骨董品を二束三文で買い叩いて儲けていた男が旅先で茶屋に立ち寄った。茶屋には猫がいて、みればたいそう価値のある茶碗で飯を食っているではないか。茶屋の主人は茶碗の価値をしらずに猫に使わせているのだろうと思い、男は主人を言いくるめて大金を出すので猫を売ってほしいと持ち掛け、ついでに猫の使っていた茶碗も頂いていきますと高価な茶碗を騙しとろうとする。しかし主人は「その茶碗は高価なものなのでこちらを」と汚い茶碗を出してきた。さあ困ったのが男。高価な骨董品が手に入ると思って金を出したのに手元にきたのは猫と小汚い茶碗。高価だとわかっているならどうしてそんな茶碗を猫に使わせているのかと尋ねると「こうして猫に使わせておくと、ときどき大金で猫を買い取ってくれるお方がいるんですよ」と、一枚も二枚も上手の主人だった。

 虎児(長瀬智也)がとあるお笑いコンテストのチラシを持って竜二(岡田准一)を訪ねてきた。いまひとつ気が乗らないものの賞品は探し求めていたヴィンテージのジーパンということもあり、竜二は参加を決意する。実のところコンテストは、どん兵衛(西田敏行)の所属する落語芸能協会主催のスカウトオーディションで、賞品のジーパンも竜二を参加させるために用意したものだった。
 だがコンテストで審査員長を務めるのは奇しくも竜二が落語を辞めるきっかけになった、柳亭小しん(小日向文世)。当時、竜二は真打に昇格する一歩手前で、そのための高座にかける落語を人情噺を得意とする子しんに教えを請いにいった。だがしかし、年功序列を重んじる保守派の小しんは、まだ歳若い竜二が真打に上がることが気に入らずなかなか噺を教えようとしなかった。結果は散々。寄席は失敗に終わり、落ち込む竜二は小しんの企みを知って嫌気がさし、そのまま落語を辞めてしまったのだった。
 賞品につられて出てしまった大会とはいえ、審査員はみな見知った顔の落語家ばかりか、父親のどん兵衛まで。虎児を恨みながらも竜二は予定していたギャグを止めて落語を演じきり見事優勝を果たし、「ジーパンを景品に出すと、ときどきおもしろい素人がタダで釣れるんですよ」と、どん兵衛からスカウトされるのだった。


 パタリロで読んだな、こんな噺。
 最終回でもいいくらい。いや本当に最終回だったら納得いかないけど。それくらいしっかりした回だったと思う。どん兵衛にも認められ落語に戻る礎を得たわけで、あとはドラゴンソーダがどうなるか…。しかし、竜二はどん兵衛のことを心底尊敬してたんだなぁ。だからこそ、子しんに対するどん兵衛の姿勢の落胆も大きかったわけでもあるのだが。なまじ尊敬してた偉人の情けないところを見るとガッカリ度の大きいあれのようなものか。
 ガンモと音無響子にはグウの音も出ない。

「猫の皿」収録
 
次回「出来心」収録
posted by 群青 at 07:24| Comment(0) | TrackBack(2) | タイガー&ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月21日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「明鳥」の回

 年頃になるのに女の影のひとつもない若旦那。息子を心配した大旦那は町内でも評判の遊び人二人に頼んで吉原に連れていってもらうことに。若旦那にはお稲荷さんの参拝に連れて行くのだと騙し、三人は吉原の大門をくぐった。お堅い若旦那でも派手な装束の娘を見ればそこが何をするところかはわからないはずがない。案の定、若旦那は帰りたいと言い出すのだが、大旦那に頼まれているので帰すわけにはいかない。「三人で来たのに一人で帰っては大門で止められて帰れなくなる」と脅し宥め、なんとか部屋へ押し込んだ。一夜明けてみると、若旦那は遊女と二人仲良く床の中。おもしろくないのは昨夜はすっかりふられてしまった遊び人二人。若旦那も起きそうにないので先に帰ろうするのだが、そこで一言若旦那。「帰れるものなら帰ってごらんなさい。大門で止められますよ」と。

 新宿流星会に借金の取立てがまわってきた。借金の主は甘納豆屋に勤める女、白石克子(薬師丸ひろ子)。虎児(長瀬智也)はその仕事を組を背負ってたつ銀次郎(塚本高史)に任せようと提案するのだが、自分のやり方でと、ポリシーを持つ銀次郎は克子に逃げられてしまう。
 一方寄席では林屋亭一門で結成された『OH!喜利喜利ボーイズ』が、あいうえお作文で人気を博していた。
 強い姉たちに囲まれて育ったせいでいい歳なのに女っ気のないどん吉(春風亭昇太)を心配して地方巡業と騙してメグミ(伊東美咲)の仕事仲間との合コン旅行に誘い出す。だが急に欠員が出てこのままでは一人あぶれてしまう。その場にいた女に声をかけ事なきを得るが、偶然にもその相手は銀次郎の追う克子だった。合コンも大引けになったものの最初から気の乗らないどん吉は寂しく大座敷に居座るのだが同じく取り残されていたた克子とうち解けていく。その頃銀次郎も克子のブログから居所を割り出し、合コンの行われてるホテルに乗り込んできた。しかし克子の布団にはどん吉が。すっかり克子と仲良しになっていたどん吉は、克子は多額の借金を抱えていることを聞かされるも、じっと手を握ってくる克子に絆され借金を肩代わりすることに。勝手にしろというOH!喜利喜利ボーイズたちを捕まえ「私が帰らなきゃ、あいうえお作文ができませんよ」とまで言い出す始末。


 授業料おかしくねー。このやりとり、毎回続くのだろうか…?
 ジャンプがすっかりレギュラー化したところで、今回はパロディの多い回。パーマン2号なんて記憶の断片にもなかったよ。
 銀次郎を諭す話は本編とは微妙に外れるものの実に学ばさせられた。「俺はもういるんだから俺になろうとするな」うん、今いいこと言った。
 ところで、今回はそれなりにオチていたので落語に不満はないのだが、克子はなぜどん吉の名前を知っていたのか気になって仕方がない。
 足癖の悪くなっていくリサは見事立派なツンデレラ。

「明烏」収録
春風亭昇太の本
次回「猫の皿」収録
posted by 群青 at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | タイガー&ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月14日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「厩火事」の回

 お崎という女が働きもせずに酒ばかり飲んでいる亭主に愛想を尽かして仲人のところへ相談にやってきた。仲人はそんな亭主なら別れてしまったらどうかとお崎を諭すのだが、情があるのかどうにも決心がつかない。そこで仲人が話して聞かせたのが二つの話。
 ある日、孔子という学者が散歩から帰ってくると、馬小屋(厩)がすっかり焼け落ちていた。聞けばあれよという間に火の手が上がり、可愛がっていた白馬も焼け死んでしまったという。しかし孔子は馬よりも弟子のことを心配し、弟子たちもこの人なら一生ついていけると感激したという。
 一方、麹町の旦那が大事にしていたのはセトモノの鉢。ある時奥方が皿を運んでる折にうっかり足をすべらせて階段から転げ落ちてしまった。皿は無事だったものの、旦那は奥方を心配せずに皿の心配ばかり。話を聞いた奥方の両親はこんな旦那の元に娘は置いとけないと、二人を別れさせてしまい、旦那は晩年を寂しく過ごしたという。
 仲人はそれになぞらえて、亭主の大事なものを壊してみて、お崎のことをどう思ってるのか試してみればいいともちかける。なるほどとばかり、さっそくお崎は亭主の前で大事にしていた皿を持ち出し大げさに転んで皿を割ってやった。亭主は孔子なのか麹町なのか、お崎が待ち望んでいると、「大丈夫か」と優しい亭主の言葉。皿より自分のことが大事なのかと尋ねてみると、亭主は涼しい顔で「働き手のおまえが怪我をしたら、明日から遊んでいても酒が飲める生活ができなくなってしまう」と一言。

 夫婦どつき漫才でコンビを組む上方まりも(清水ミチコ)まりお(古田新太)の二人が谷中家の食卓についていた。聞けば彼らは谷中正吉(西田敏行)と小百合(銀粉蝶)夫妻が仲人を勤めたのだという。
 まりおは酒に酔って暴力事件を起こしており、つい先ごろ出所して東京でやり直そうと正吉を頼ってやってきた。そうとは知らずに竜二(岡田准一)はまりおに酒を飲ませ、また暴力事件を起こして逮捕されてしまう。それも手伝ってか、どつき漫才とはいえ日がな叩かれてばかりのまりもは、まりおはもう自分のことなんかなんとも思っていないのではと疑いはじめる。
 保釈されたものの、まりもに合わせる顔のないまりおは、ライブの予定もあるというのに一人大阪に逃げようとする。だが道中でまりもが癌だと告げられ、いてもたってもいられなくなりライブに出ることを決意する。しかしまりもの体を気遣い、どつき漫才も気が気じゃない。意気消沈したまりおを見て、まりもは全てが嘘だったことを明かして漫才より自分のほうが大事なのかと尋ねる。するとまりおは、騙された悔しさ半分、嘘だったことの嬉しさ半分で「当たり前だ。女房が死んだら遊んでいて酒が飲めない」と、またまりもをどつくのだった。
 全てはまりおとは通ずるところがあり、夫婦をほうっておけない虎児(長瀬智也)が考えた芝居のはずだった。だったのだが…。


 命名「竜二が始終余計なことしでかした」回。
 まりもの病院のシーンと倒れたシーンを見て、クドカンなら絶対やってくれると信じていた。遺影のモノクロ写真すら先行して浮かんだほど。古田新太と清水ミチコの名コンビっぷりもさることながら、前回に続き落語が微妙にオチてないことを除けば、笑いあり泣きありの見ごたえある回だと思う。
 回を重ねるごとに本職の噺家のような貫禄をかもし出してくる西田はつくづく名優なのだと認識させられる。
 子虎の出囃子、仁義なき戦いのテーマはナイスチョイス。


新・仁義なき戦い
「厩火事」収録
次回「明烏」収録 
posted by 群青 at 07:16| Comment(0) | TrackBack(5) | タイガー&ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月07日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「権助提灯」の回

 愛人を囲う金持ちの旦那がいた。奥方も愛人もできた人で、愛人の嫉妬もなければ旦那を立てようとする奥方のおかげで家庭も円満。
 そんなある風の強い夜。奥方から「うちは大勢いるので大丈夫ですが、愛人さんのお宅は女ばかり。心配なので今晩はあちらに泊まってやってください」と言われる。そうかいそうかいと旦那は喜び勇んで飯炊きの権助をお供に連れ、提灯片手に愛人宅へ出かけて行った。ようやく辿り着いた愛人宅。だが愛人は「愛人のことまで気遣ってくれる奥様を困らせるほど世間知らずと思われたら迷惑になります」と、旦那を本宅へ送り返してしまう。そういうことではしょうがないとしぶしぶ本宅へ帰ってみれば、無言の嫉妬なのか「あちらさんが心配なので」、愛人宅に追い返されれば「奥様に悪いので」と体よく追い返され、本宅と愛人宅を行き来させられる旦那。そんなことを繰り返すうちに、気がついてみればすでに提灯の必要もないほどの見事な朝日が昇っていた。

 二つ目に昇進した虎児(長瀬智也)は、師匠である林屋亭どん兵衛こと谷中正吉(西田俊之)から大学の落語研究会OB会のために上京してきたという水越小春(森下愛子)を紹介される。遡ること30年前、当時大学生だった正吉は、組長(笑福亭鶴瓶)と共に落語研究会で道を同じくしていた。そこに教えを請いにきたのが付属高校の新入生の小春であった。正吉と組長はいつしか小春にすっかり夢中になっており、正吉はそれを口に出せないまま組長から頼まれた恋文を小春に渡すのだが、実は小春の想い人は正吉だった。
 しかし今では妻もいる身分の正吉は、虎児と屈託し小春と、やもめの組長をくっつけようとする。虎児はOB会帰りですっかり酔いつぶれていた小春を組長の家まで送り届けるのだが、過去のこともあって組長は意地を張って会おうとしない。仕方なく谷中家へ連れて行くが谷中の家には正吉の妻、小百合ちゃん(銀粉蝶)がいることもありどうしても泊めるわけにはいかない。組長も組長で意地を張り続け正吉とのこともあり泊めることはできない。行き来を続けるうちにすっかり道に迷うものの、すでにカーナビの意味をなさなくなるほど立派な朝日が東の空から上っていた。


 銀次郎には悪いがタイガー&ドラゴン&シルバーは生物じゃない上に語呂が悪い。
 正吉と組長の気持ちは感慨深い。惚れた女は惜しいが自分が身を引けば女はより幸せになれるんじゃないかと思ってしまう。友情と愛情の板ばさみ。だが小春が大学教授を追って京都まで行ったということは、組長は完全にフラレていたのではないだろうか…?
 今回は若干オチてなかったのを「じれッタイガー」で強引に落としたような気がしてしまう。それと同時に、風情は時代と共に移り変わるものなのだと改めて感じさせられた。
 ならばなら謙ちゃんはアフロが望ましかった。





「権助提灯」収録
次回「厩火事」収録
posted by 群青 at 07:11| Comment(0) | TrackBack(13) | タイガー&ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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