2005年06月28日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「子は鎹」の回

 腕はいいが怠け癖のある大工の男。かいがいしい妻に恵まれ一子をもうけたが元来の怠け癖のせいで女房はとうとう子供を連れて出て行ってしまった。二度目の妻は遊女で働かないうえに貧乏暮らしは嫌だと出て行ってしまった。そんな男がある日前妻との子供、亀と再会する。「大きくなったなぁ亀公」と子供の成長を喜ぶ男。男の甲斐性のなさが原因で別れた夫婦だが互いに憎かったわけではない。男は今や心を入れ替えた評判の大工。久しぶりに会った子供に小遣いを与え、うなぎが食いたいといえば明日連れてってやるからと約束しその日は別れた。その日の夜、亀が大金を持って帰ってきたのは盗みを働いたのではと、はやとちりした母親は、元は亭主が使っていたカナヅチを持ち出し「これであんたの頭を打つってことはお父さんがあんたを怒るってことだからね」と亀に迫りかかる。観念した亀は改心した父に会ったことを洗いざらい白状してしまう。それを聞いた母親は喜ぶのだが、おいそれと会いにいくわけにはいかない。次の日、亀ににきれいな服を着せて送り出すのだが、自分もいてもたってもいられなくなり、うなぎ屋の前をいったりきたりと落ち着かない。その内に元亭主と亀が出てきてしまい再会する。亀の取り持ちもあってなんだかんだの末、二人はよりを戻すことになった。「まったく子は鎹だな」という二人の言葉に、亀は「ぼくが鎹だって? どうりで昨日、頭を打つといわれたわけだ」…という噺。

 あの事件から三年。竜二(岡田准一)は日々の精進を認められ近く七代目どん兵衛を襲名することになっていた。だが竜二には心配事が。ひとつは襲名披露の演目が過去に失敗した『子別れ』であること。そしてもうひとつはメグミ(伊東美咲)のこと。そんな竜二を励ます意味も込めてどん太(安部サダヲ)に連れられコスプレパブに行くのだが、偶然そこで働いていた虎児(長瀬智也)と再会することに。虎児は刑期を終え出所していたのだが信頼を裏切る形になってしまった谷中家には顔を出しづらく、新宿流星会に出向くも立派に二代目を次いでいた銀次郎(塚本高史)に「らしくない」と追い返されてしまい行き着いた先がそこだった。
 虎児の責任をとる形で芸能協会を脱退したどん兵衛(西田敏行)は、昇格する竜二のためにも虎児を迎えに行くわけには行かなかった。だが口ではなんと言っていてもどん兵衛は虎児を待ち続けており、その証拠に今の名は二代目林屋亭子虎。同じように虎児の恩人でもあり、どん兵衛の友人、流星会の元組長も、どん兵衛に預けたものとして迎えに行けなかったのだ。業を煮やした竜二は、意地を張り続ける虎児とどん兵衛をめぐり合わせ、もう一度弟子入りすることになった虎児だった。
 襲名披露の日。高座には虎児が。かつてどん兵衛に与えられた林屋亭子虎として落語会に復帰を果たしたのだった。


 最終回にしてスペシャルのナンとサインが繋がった。予想もできないオリジナルダジャレオチで。いや予想できるわけがないって。ドラゴンソーダのブームはともかく、新しいヤクザを目指す銀次郎の成長、さゆりちゃんの逆転、どん兵衛の二代目子虎、組長の葛藤。どれもひとつの物語として見てもおもしろいものだろう。語る必要はないが深い深い物語がそこにはあったのだ。
 ドラマは終わらない。クドカンドラマの一番の楽しみはやはりそれに尽きるのではないだろうか。何よりも終わってしまったはずの最終回の続きが気になって仕方がないのだ。



タイガー&ドラゴン
DVD-BOX
三枚起請の回
クレイジーケンバンド
ソウルパンチ
V6
UTAO-UTAO
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2005年06月19日

2分でわかるたぅぁいがーえぁんどぅどぅらごぅん「品川心中」の回

 品川の遊郭で遊女をしている、名をお染という女。店でも古株で、ことあるごとに懐の広いところを見せなきゃいけないのだが、最近めっきり客が離れてとてもじゃないがそんな金なんか用立てられるわけもない。恥をかくくらいならいっそ死んでしまおう。どうせ死ぬなら心中と浮名を立たせ死に花咲かせようと、馴染み客の中から不幸にも選ばれたのは金蔵というさえない男。呼び出された金蔵は心中の話を聞かされるのだが、お染にすっかり惚れこんでいた金蔵は、二つ返事で了承することにした。だがいざその時になってみればなかなか決心がつかない。兄貴分のところに挨拶に行くので明日。カミソリは痕が残るのでいやだ。いい加減しびれを切らしたお染は金蔵を引きずって川に突き落としてしまった。いよいよ後を追おうかとお染が飛び込みかけたとき、なにやら止めようとする男が一人。男はお染の馴染み客、金を用立ててくれたというのだ。そういうことならもう死ぬ必要はなくなったと、お染は金蔵を放りだしてその場を立ち去ってしまった。不幸なのは金蔵。突き落とされるわ裏切られるわで、散々な目にあったのだがなんとか命だけは助かった。ずぶぬれのまま知り兄貴分の元に帰るのだが、兄貴文は賭博の真っ最中。その頃の賭博は見つかれば役人にしょっぴかれるってもんで、突然あらわれた金蔵を役人と勘違いした面々は右へ左へと逃げ回る。だがただ一人はどっかり座りこんで眉ひとつ動かさない。皆がさすがは元お武家さまと感心していると「そうお褒めくださるな。拙者、とうに腰が抜けて立てません」。

 ウルフ商会の力夫(橋本じゅん)から新宿流星会に吸収合併の話が持ち込まれた。だが力夫の本当の狙いは虎児(長瀬智也)で、ウルフ商会にくるならば新宿流星会は残してやると虎児に持ちかける。
 一方、谷中家には竜二(岡田准一)が戻ってきた。だがメグミ(伊東美咲)の元夫、保(菅原大吉)が尋ねてきたこともあり、いまいち歓迎されていない様子。そんな中、メグミが行方不明になってしまう。保が言うには出会い系サイトの仲間とドライブに行ったというが、メグミが行ったのは出会い系サイトではなく自殺サイトの募集だった。心配した竜二は保と共にメグミを探しにいくことに。だがその頃、自殺を考えていたサイトの利用者たちはメグミのおかげで自殺を考え直していた時だった。そこに現れたのが竜二。眠っていたメグミはなんのことか解らず逃げ出してしまい、居合わせた保に飛びつき、保はメグミを抱きかかえながら「腰が抜けてしまった」…と、林屋亭小竜こと竜二オリジナルの「品川心中」。見事に噺家への復帰を果たした竜二だった。
 その頃虎児はというと、流星会が襲われたことで銀次郎(塚本高史)と共にウルフ商会に殴りこみにいくのだが、その様子はテレビ中継されてしまい、ウルフ商会のビルは警察に取り囲まれてしまった。騒ぎを起こした責任をとるために虎児は自首することに…。


 あの思い出、本になるんすか?
 義理を果たした虎児と落語界に戻った竜二。全てが元の鞘に納まったように見えるのだが、やはり竜二の夢もなんらかのかたちで叶えてほしかったような。虎児は…次週に期待!
 何かと話題になった自殺志願サイトをうまく扱った回。今回はたまたまメグミみたいなのが来てくれたからいいものの、しかもおかげで自殺を思いとどまっただいぶ救いのある展開。現実だと死に花添えるかの如く女の子が来てくれるとか思って募集してみたら、集まったのが中年のオッサンばっかりだったら(それはそれで積もる話もあるかもしれないけど)寂しいだろうなぁ、死んでも死にきれないだろうなぁ。あの世で700人の美女が待ってるから聖戦するひとたちもあんな感じなんだろうか。
 最終回である次回は、竜二が真打に上がるために選んでいた「子別れ」を含んだ「子は鎹」。ということは…え? そういうこと?



「品川心中」収録
UTAO-UTAO
「子別れ」収録
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2005年06月11日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「粗忽長屋」の回でおま

 不精でそそっかしい熊と性格はまめだがやっぱりそそっかしい八。
 ある日、八が浅草寺までお参りに行くと人だかりができていた。何事かと騒ぎの中へ入ってみると、男の行き倒れが。知り合いなら一大事と行き倒れの顔を覗き込むと、何と隣に住む熊じゃないか。証拠に本人を連れて来ますと八は慌てて長屋へ帰っていく。その頃、当の熊は長屋で煙草をくゆらせていた。そこへえらい勢いで飛び込んできたのが帰ってきた八。八は浅草寺で見てきたことを熊に話し、熊は死んでしまったのだがそそっかしいせいでそれにも気づかず家へ帰ってきたと言うのだ。そういえば朝から気分がすぐれない上に、昨日は飲みすぎてどうも浅草寺の傍を通ったあたりから記憶がない。きっと自分は死んだに違いないと熊もすっかりその気になり、粗忽者二人は揃って死体を引き取りにいくことになった。そうして死体を目の前にした熊は「死んでいる俺がここにいるのはわかったんだが、ここにいる俺は誰なんだ?」と言ったというからなんとも呆れた二人の粗忽者のお噺。

 田辺ヤスオ(金村一輝)は元・新宿流星会の構成員。しかし今は新宿流星会組長(笑福亭鶴瓶)の元・舎弟、梶力夫(橋本じゅん)が組長を務めるウルフ商会にいた。だが田辺は組の金を使いこんだうえに力夫の妻(真田ゆかり)にまで手を出し、組からは賞金までかけられているお尋ね者の身だった。
 そんな田辺が虎児(長瀬智也)を頼ってやってくる。だが虎児はヤクザの世界を徐々に離れつつあり、生粋のヤクザである田辺を受け入れることができないでいた。そんな中、田辺がウルフ商会にさらわれてしまう。同じ頃、虎児は田辺が親を亡くした子供に送金していることを知るのだが、田辺の元に駆けつけたときには時すでに遅し…。だが殺されていたのは田辺ではなくウルフ商会の哲也(猪野学)だった。哲也は使い込みなどをしており、舎弟の泰次(小路勇介)にすっかり恨まれていたのだった。だがこのままでは力夫が追ってくることを危惧した虎児は、どん兵衛(西田敏行)に教わった粗忽長屋を思い出し、哲也の死体を替え玉にして一芝居打つことを思い立つ。哲也と服を入れ替えてすっかり力夫を騙しきった田辺は死体を担ぎながら「こうして田辺を担いでる俺は誰だろうね」と無事逃げ切るのだった。


 よ! 待ってましたけんちゃん!
 そう。こういうのを待ってたんだよ、うん。落語のオチもぴったり、ドラマのオチもきっちり。竜二は稽古に参加してるし、言うことなし! こう言ってはなんだが実にクドカンらしいのではないだろうか。伏線ビシビシ張って次々と華麗な花火を打ち上げていく花火職人のような芸術性がたまらない。今回の火種は来週に持ち越されるようで、これでこそ一週間楽しみで過ごせるというものだ。いよいよ竜二も高座に上がるようだしね。
 今回の噺はそそっかしい男たちが主人公ということで、視聴者を混乱させようとする台詞はうまい演出だと思った。細かい仕草なのだが泰次の性格作りがしっかりされてるのも見ていておもしろかった。
「粗忽長屋」収録
次回「品川心中」収録
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2005年06月04日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「出来心」の回

 ある泥棒が盗みに入った家はばかに汚い長屋。何か金目のものでもと探すのだがあるのはフンドシ一丁と粗末なおじやの鍋だけときたもんだ。どうせ入ったんだからと律儀にもフンドシを盗み、おじやを食べ始めたのだが、このおじやの美味いこと美味いこと、夢中になって食べているといつの間にか家人が帰ってきてしまい泥棒は大慌てで床下に隠れた。家人の男は早々に泥棒に入られたことに気づくと、家賃を盗まれたことにしようと大家を呼ぶことに。そりゃいけないということで大家は盗まれたものは何かと帳面をつけはじめた。なんでも役所に届け出ると盗まれたものをそのままもらえるらしく、「大家さんと同じの唐草模様の布団に裏地は大家さんと同じの花色木綿。博多の帯で裏地は花色木綿…刀を一本、裏地は花色木綿…」男がこんな具合で嘘ばかり言うものだから頭にきたのは床下で聞いていた泥棒。「さっきから聞いてれば花色木綿花色木綿って、この家には何もなかった」と食って掛かるのだが、そこは泥棒、何とか逃げ延びねばと「つい出来心で」と言い訳をするも、どこから入ってきたのかと問い詰められ「裏の花色木綿からです」なんてのたまうものだから、大家どころか家人の男もすっかり呆れてしまった。

 銀次郎(塚本高史)が久々に再会した友人は今や警察官の金子(高岡蒼祐)。お互いに今の自分の立場に疑問を抱き、ひとつ大きなことをしてやろうと狙いを定めたのが、何やらよからぬものの売買で急成長しているとかで近頃勢力をのばしてきた神保組。二人はそれをネタに神保組を脅迫しようと企てる。
 金子の助けもあり、銀次郎は何とか神保組のアパートに忍び込んでそれを手にいれることに成功した。だがそれはアダルトDVDで、すっかり呆れ果てる銀次郎だが、偶然その現場を彼女のリサ(蒼井優)に目撃されてしまい「神保組を摘発するため」と誤魔化すことになった。しかし運の悪いことは続くもので、そのことが神保組の耳に入り、銀次郎はさらわれてしまった。リサからことの成り行きを聞きだした虎児(長瀬智也)は、大事な寄席を放り出して若頭日向(宅間孝行)と共に銀次郎を助けにいくことに。騒ぎはあったものの無事に銀次郎を助け出すと、出来心でやったと呆れる答え。「で、そのDVDは裏なのか表なのか」と尋ねてみると「裏は花色木綿」と…。


 尻叩きにばかうけ。
 オチがさっぱり…。「花色」からてっきり艶事を指すのかと解釈していたのだが、花色木綿という色、調べてみると青系統の色とのことで、ひょっとしたらアップにされてたDVDの記録面のことを言っていたのかもしれない。それでも意味がわからないことに変わりはないのだが。どん兵衛には悪いが、出来心オチのほうが合ってたかなと思ってしまう。
 同時進行話のほうはどん兵衛と組長のわだかまりを取り除いた上に、竜二が落語に戻る道をまた一歩進んだ感じで…だからこそ余計にオチが、オチが…ってなところで来週は帰ってきたヤスオ。何やらまた企んでいるようで波乱は必至。
 ハニカミデートがうどんな件について。
「出来心」収録
次回「粗忽長屋」収録
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2005年05月28日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「猫の皿」の回

 骨董品を二束三文で買い叩いて儲けていた男が旅先で茶屋に立ち寄った。茶屋には猫がいて、みればたいそう価値のある茶碗で飯を食っているではないか。茶屋の主人は茶碗の価値をしらずに猫に使わせているのだろうと思い、男は主人を言いくるめて大金を出すので猫を売ってほしいと持ち掛け、ついでに猫の使っていた茶碗も頂いていきますと高価な茶碗を騙しとろうとする。しかし主人は「その茶碗は高価なものなのでこちらを」と汚い茶碗を出してきた。さあ困ったのが男。高価な骨董品が手に入ると思って金を出したのに手元にきたのは猫と小汚い茶碗。高価だとわかっているならどうしてそんな茶碗を猫に使わせているのかと尋ねると「こうして猫に使わせておくと、ときどき大金で猫を買い取ってくれるお方がいるんですよ」と、一枚も二枚も上手の主人だった。

 虎児(長瀬智也)がとあるお笑いコンテストのチラシを持って竜二(岡田准一)を訪ねてきた。いまひとつ気が乗らないものの賞品は探し求めていたヴィンテージのジーパンということもあり、竜二は参加を決意する。実のところコンテストは、どん兵衛(西田敏行)の所属する落語芸能協会主催のスカウトオーディションで、賞品のジーパンも竜二を参加させるために用意したものだった。
 だがコンテストで審査員長を務めるのは奇しくも竜二が落語を辞めるきっかけになった、柳亭小しん(小日向文世)。当時、竜二は真打に昇格する一歩手前で、そのための高座にかける落語を人情噺を得意とする子しんに教えを請いにいった。だがしかし、年功序列を重んじる保守派の小しんは、まだ歳若い竜二が真打に上がることが気に入らずなかなか噺を教えようとしなかった。結果は散々。寄席は失敗に終わり、落ち込む竜二は小しんの企みを知って嫌気がさし、そのまま落語を辞めてしまったのだった。
 賞品につられて出てしまった大会とはいえ、審査員はみな見知った顔の落語家ばかりか、父親のどん兵衛まで。虎児を恨みながらも竜二は予定していたギャグを止めて落語を演じきり見事優勝を果たし、「ジーパンを景品に出すと、ときどきおもしろい素人がタダで釣れるんですよ」と、どん兵衛からスカウトされるのだった。


 パタリロで読んだな、こんな噺。
 最終回でもいいくらい。いや本当に最終回だったら納得いかないけど。それくらいしっかりした回だったと思う。どん兵衛にも認められ落語に戻る礎を得たわけで、あとはドラゴンソーダがどうなるか…。しかし、竜二はどん兵衛のことを心底尊敬してたんだなぁ。だからこそ、子しんに対するどん兵衛の姿勢の落胆も大きかったわけでもあるのだが。なまじ尊敬してた偉人の情けないところを見るとガッカリ度の大きいあれのようなものか。
 ガンモと音無響子にはグウの音も出ない。

「猫の皿」収録
 
次回「出来心」収録
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2005年05月21日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「明鳥」の回

 年頃になるのに女の影のひとつもない若旦那。息子を心配した大旦那は町内でも評判の遊び人二人に頼んで吉原に連れていってもらうことに。若旦那にはお稲荷さんの参拝に連れて行くのだと騙し、三人は吉原の大門をくぐった。お堅い若旦那でも派手な装束の娘を見ればそこが何をするところかはわからないはずがない。案の定、若旦那は帰りたいと言い出すのだが、大旦那に頼まれているので帰すわけにはいかない。「三人で来たのに一人で帰っては大門で止められて帰れなくなる」と脅し宥め、なんとか部屋へ押し込んだ。一夜明けてみると、若旦那は遊女と二人仲良く床の中。おもしろくないのは昨夜はすっかりふられてしまった遊び人二人。若旦那も起きそうにないので先に帰ろうするのだが、そこで一言若旦那。「帰れるものなら帰ってごらんなさい。大門で止められますよ」と。

 新宿流星会に借金の取立てがまわってきた。借金の主は甘納豆屋に勤める女、白石克子(薬師丸ひろ子)。虎児(長瀬智也)はその仕事を組を背負ってたつ銀次郎(塚本高史)に任せようと提案するのだが、自分のやり方でと、ポリシーを持つ銀次郎は克子に逃げられてしまう。
 一方寄席では林屋亭一門で結成された『OH!喜利喜利ボーイズ』が、あいうえお作文で人気を博していた。
 強い姉たちに囲まれて育ったせいでいい歳なのに女っ気のないどん吉(春風亭昇太)を心配して地方巡業と騙してメグミ(伊東美咲)の仕事仲間との合コン旅行に誘い出す。だが急に欠員が出てこのままでは一人あぶれてしまう。その場にいた女に声をかけ事なきを得るが、偶然にもその相手は銀次郎の追う克子だった。合コンも大引けになったものの最初から気の乗らないどん吉は寂しく大座敷に居座るのだが同じく取り残されていたた克子とうち解けていく。その頃銀次郎も克子のブログから居所を割り出し、合コンの行われてるホテルに乗り込んできた。しかし克子の布団にはどん吉が。すっかり克子と仲良しになっていたどん吉は、克子は多額の借金を抱えていることを聞かされるも、じっと手を握ってくる克子に絆され借金を肩代わりすることに。勝手にしろというOH!喜利喜利ボーイズたちを捕まえ「私が帰らなきゃ、あいうえお作文ができませんよ」とまで言い出す始末。


 授業料おかしくねー。このやりとり、毎回続くのだろうか…?
 ジャンプがすっかりレギュラー化したところで、今回はパロディの多い回。パーマン2号なんて記憶の断片にもなかったよ。
 銀次郎を諭す話は本編とは微妙に外れるものの実に学ばさせられた。「俺はもういるんだから俺になろうとするな」うん、今いいこと言った。
 ところで、今回はそれなりにオチていたので落語に不満はないのだが、克子はなぜどん吉の名前を知っていたのか気になって仕方がない。
 足癖の悪くなっていくリサは見事立派なツンデレラ。

「明烏」収録
春風亭昇太の本
次回「猫の皿」収録
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2005年05月14日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「厩火事」の回

 お崎という女が働きもせずに酒ばかり飲んでいる亭主に愛想を尽かして仲人のところへ相談にやってきた。仲人はそんな亭主なら別れてしまったらどうかとお崎を諭すのだが、情があるのかどうにも決心がつかない。そこで仲人が話して聞かせたのが二つの話。
 ある日、孔子という学者が散歩から帰ってくると、馬小屋(厩)がすっかり焼け落ちていた。聞けばあれよという間に火の手が上がり、可愛がっていた白馬も焼け死んでしまったという。しかし孔子は馬よりも弟子のことを心配し、弟子たちもこの人なら一生ついていけると感激したという。
 一方、麹町の旦那が大事にしていたのはセトモノの鉢。ある時奥方が皿を運んでる折にうっかり足をすべらせて階段から転げ落ちてしまった。皿は無事だったものの、旦那は奥方を心配せずに皿の心配ばかり。話を聞いた奥方の両親はこんな旦那の元に娘は置いとけないと、二人を別れさせてしまい、旦那は晩年を寂しく過ごしたという。
 仲人はそれになぞらえて、亭主の大事なものを壊してみて、お崎のことをどう思ってるのか試してみればいいともちかける。なるほどとばかり、さっそくお崎は亭主の前で大事にしていた皿を持ち出し大げさに転んで皿を割ってやった。亭主は孔子なのか麹町なのか、お崎が待ち望んでいると、「大丈夫か」と優しい亭主の言葉。皿より自分のことが大事なのかと尋ねてみると、亭主は涼しい顔で「働き手のおまえが怪我をしたら、明日から遊んでいても酒が飲める生活ができなくなってしまう」と一言。

 夫婦どつき漫才でコンビを組む上方まりも(清水ミチコ)まりお(古田新太)の二人が谷中家の食卓についていた。聞けば彼らは谷中正吉(西田敏行)と小百合(銀粉蝶)夫妻が仲人を勤めたのだという。
 まりおは酒に酔って暴力事件を起こしており、つい先ごろ出所して東京でやり直そうと正吉を頼ってやってきた。そうとは知らずに竜二(岡田准一)はまりおに酒を飲ませ、また暴力事件を起こして逮捕されてしまう。それも手伝ってか、どつき漫才とはいえ日がな叩かれてばかりのまりもは、まりおはもう自分のことなんかなんとも思っていないのではと疑いはじめる。
 保釈されたものの、まりもに合わせる顔のないまりおは、ライブの予定もあるというのに一人大阪に逃げようとする。だが道中でまりもが癌だと告げられ、いてもたってもいられなくなりライブに出ることを決意する。しかしまりもの体を気遣い、どつき漫才も気が気じゃない。意気消沈したまりおを見て、まりもは全てが嘘だったことを明かして漫才より自分のほうが大事なのかと尋ねる。するとまりおは、騙された悔しさ半分、嘘だったことの嬉しさ半分で「当たり前だ。女房が死んだら遊んでいて酒が飲めない」と、またまりもをどつくのだった。
 全てはまりおとは通ずるところがあり、夫婦をほうっておけない虎児(長瀬智也)が考えた芝居のはずだった。だったのだが…。


 命名「竜二が始終余計なことしでかした」回。
 まりもの病院のシーンと倒れたシーンを見て、クドカンなら絶対やってくれると信じていた。遺影のモノクロ写真すら先行して浮かんだほど。古田新太と清水ミチコの名コンビっぷりもさることながら、前回に続き落語が微妙にオチてないことを除けば、笑いあり泣きありの見ごたえある回だと思う。
 回を重ねるごとに本職の噺家のような貫禄をかもし出してくる西田はつくづく名優なのだと認識させられる。
 子虎の出囃子、仁義なき戦いのテーマはナイスチョイス。


新・仁義なき戦い
「厩火事」収録
次回「明烏」収録 
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2005年05月07日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「権助提灯」の回

 愛人を囲う金持ちの旦那がいた。奥方も愛人もできた人で、愛人の嫉妬もなければ旦那を立てようとする奥方のおかげで家庭も円満。
 そんなある風の強い夜。奥方から「うちは大勢いるので大丈夫ですが、愛人さんのお宅は女ばかり。心配なので今晩はあちらに泊まってやってください」と言われる。そうかいそうかいと旦那は喜び勇んで飯炊きの権助をお供に連れ、提灯片手に愛人宅へ出かけて行った。ようやく辿り着いた愛人宅。だが愛人は「愛人のことまで気遣ってくれる奥様を困らせるほど世間知らずと思われたら迷惑になります」と、旦那を本宅へ送り返してしまう。そういうことではしょうがないとしぶしぶ本宅へ帰ってみれば、無言の嫉妬なのか「あちらさんが心配なので」、愛人宅に追い返されれば「奥様に悪いので」と体よく追い返され、本宅と愛人宅を行き来させられる旦那。そんなことを繰り返すうちに、気がついてみればすでに提灯の必要もないほどの見事な朝日が昇っていた。

 二つ目に昇進した虎児(長瀬智也)は、師匠である林屋亭どん兵衛こと谷中正吉(西田俊之)から大学の落語研究会OB会のために上京してきたという水越小春(森下愛子)を紹介される。遡ること30年前、当時大学生だった正吉は、組長(笑福亭鶴瓶)と共に落語研究会で道を同じくしていた。そこに教えを請いにきたのが付属高校の新入生の小春であった。正吉と組長はいつしか小春にすっかり夢中になっており、正吉はそれを口に出せないまま組長から頼まれた恋文を小春に渡すのだが、実は小春の想い人は正吉だった。
 しかし今では妻もいる身分の正吉は、虎児と屈託し小春と、やもめの組長をくっつけようとする。虎児はOB会帰りですっかり酔いつぶれていた小春を組長の家まで送り届けるのだが、過去のこともあって組長は意地を張って会おうとしない。仕方なく谷中家へ連れて行くが谷中の家には正吉の妻、小百合ちゃん(銀粉蝶)がいることもありどうしても泊めるわけにはいかない。組長も組長で意地を張り続け正吉とのこともあり泊めることはできない。行き来を続けるうちにすっかり道に迷うものの、すでにカーナビの意味をなさなくなるほど立派な朝日が東の空から上っていた。


 銀次郎には悪いがタイガー&ドラゴン&シルバーは生物じゃない上に語呂が悪い。
 正吉と組長の気持ちは感慨深い。惚れた女は惜しいが自分が身を引けば女はより幸せになれるんじゃないかと思ってしまう。友情と愛情の板ばさみ。だが小春が大学教授を追って京都まで行ったということは、組長は完全にフラレていたのではないだろうか…?
 今回は若干オチてなかったのを「じれッタイガー」で強引に落としたような気がしてしまう。それと同時に、風情は時代と共に移り変わるものなのだと改めて感じさせられた。
 ならばなら謙ちゃんはアフロが望ましかった。





「権助提灯」収録
次回「厩火事」収録
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2005年04月30日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「茶の湯」の回

 金儲けに明け暮れ隠居を迎えた男が趣味を持とうと茶道を始めることにした。だが茶道どころかどうやって茶を立てるのかも知らずに知ったかぶりで茶をたてるも、そんな茶がうまいはずもなく、腹を下しながら風流とはこういうものだと勝手に解釈してしまう。男は自分だけで風流に苦しむのも癪だと、大家をしている長屋の衆を茶会(茶の湯)に招待することにした。困ったのは長屋の衆。作法もしらない茶会に誘われ恥をかいちゃいけないと見よう見真似でお茶をすするもどうやったって不味いものは不味い。唯一の救いは口直しに出された羊羹。お茶は不味いが羊羹は美味いと、男の茶会は評判になったが客は茶を飲まずに羊羹ばかり食べていく。たまっていくのは羊羹のツケばかり。元来ケチな男は自分で饅頭を作ることにするのだが、この饅頭の不味いこと不味いこと。不味いお茶に不味い饅頭。こんなもの誰が飲み食いするはずもなく、茶はすするフリだけ、饅頭は袖の下にしまって隣の畑にぽい。いつしか頭上に飛んでくる不味い饅頭を見るたびに畑の百姓が言う。「また茶の湯か」と。

 林屋亭一門に落語評論家気取りのアマチュア落語チャンピオン、ジャンプ亭ジャンプこと、淡島ゆきお(荒川良々)が弟子入りしてきた。
 だが淡島は谷中の家にも馴染もうとせず、寄席では師匠のどん兵衛(西田俊之)が演ずる予定だった噺で格の違いを見せつけようとする。どん兵衛はそんな淡島の実力を認めるも、学ぶつもりのないものに教えることはないと破門にしてしまう。不覚にも淡島のおかげで諭された虎児(長瀬智也)は、これまでのオリジナルではなく、古典落語をやってみるのだが、世間の評価はどうもよろしくない。
 同じ頃、谷中家の次男、竜二(岡田準一)は、ショッププロデューサーで名を馳せるBOSS片岡(大森南朋)から竜二がデザインしたリストバンドを入場券にしてイベントを開催し、竜二の店を宣伝しようという話を持ちかけられる。イベントの名は店の名『ドラゴンソーダ』にちなんで『ドラゴンナイト』。自分のセンスがついに認められたと張り切る竜二だが、すこしずつ見えてきた片岡のやり方がどうも納得できない。
 虎児と竜二は自分の進むべき道が今のままでいいのだろうかと互いに疑問を持つ。
 二人は悩みながら自らの方向性を模索していくのだが、片岡は竜二に断りも無く別のデザイナーの案を起用していた。メグミ(伊東美咲)に励まされたこともあり、我慢できなくなった竜二は、自分の納得できないものを店に置くことはできないと片岡に絶縁状を叩きつける。そのせいか、イベントは大成功だったがチケットとして使用され不要になったリストバンドが会場近くの寺に投げこまれ、掃除の坊主が「またドラゴンナイトか」と、悩まされるようになった。


 竜二の台詞、「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!」ではないだろうか。
 風流とはうまい言い方だ。その筋のひとにしか良さのわからないものは多々あり、誤解も受けるが、だがそれは虎児の言うように必死になって極めようとした結果なのだから、おいそれと他人が口を出せる問題ではないのだ。座右の銘である『世上の毀誉は善悪にあらず(世間でけなしたり誉めたりするのは必ずしもその事の善悪によるものではない)』に繋がるものがあり、今回は特にお気に入りの回になるだろう。しかし耳の痛い話である。
 しっかり竜二のデザインしたリストバンドを使っていたどん兵衛。子虎のおかげで少しずつだが竜二のことを理解しつつあるどん兵衛は一歩ずつ確実に歩み寄っていっている。この親子はほんとにヤバイ。
 それにしても林屋亭一門というか谷中一家はゲーム好きのようだ。







「茶の湯」収録
次回「権助提灯」収録

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2005年04月23日

2分でわかるタイガー&ドラゴン「饅頭怖い」の回

 皆で何が怖いかという話を始めるのだが、ただ一人の男だけは自分には怖いものはないという。だが聞き出すとそんな男にも怖いものが。それは甘い餡の入った饅頭。男は話を聞くだけでも寒気がするほどの饅頭嫌い。いけすかない男をこらしめてやろうと皆で画策し、饅頭を男の寝床に並べるのだがそれこそが本当の狙い。男は山となった饅頭を美味そうにたいらげていく。まんまと騙されたことに腹をたてた皆が本当に怖いものは何かと尋ねたところ、「今は渋いお茶が怖い」と。それが今回の噺、饅頭怖い。

 虎児(長瀬智也)の兄貴分である日向(宅間孝行)が結婚することになった。だが日向は組長(笑福亭鶴瓶)の娘(伊藤修子)とも付き合いがあったこともあり、日向を許すことの出来ない組長は復讐代わりに結婚式でひと騒動起こしてやろうと虎児に話を持ちかける。
 一方、噺家一家では正吉(西田俊之)の孫にあたる男児が生まれるわ、弟子の林屋亭どん吉(春風亭昇太)が真打に昇進することになったりでめでたいこと続き。林屋亭どん太こと竜平(安部サダヲ)は、どん吉の昇進お披露目のお祝いにと前座を勤めることになったが、抱かれたくない男ナンバー1に選ばれていたりでプレッシャーに負けて逃げ出してしまう。代役を務めるは元売れっ子演歌歌手でどん太の嫁、浅草寺鶴子(猫背椿)。
 そんな中、日向の嫁、寿子(松本まりか)がどん太を嫌っていることを知った知った組長は、結婚式の余興にどん太を呼んで台無しにしてやろうと企てる。だがそれは林屋亭子虎プロデュースの饅頭怖いで、実のところ寿子はどん太の大ファンだった。追い詰められてプレッシャーを振り切ったどん太を前にして喜びのあまり抱きつく寿子を見た組長は怒り出し、どん太のことが嫌いだったのではと寿子を問い詰めるのだが、寿子はそんなこともつゆしらず「どん太大嫌い。庭付き一戸建てとドイツ製システムキッチンとプラズマテレビが嫌い。あとね、可愛い赤ちゃんが大嫌い」とあっさり言い放ち、肝っ玉の据わった寿子を認めた組長は日向の結婚を祝福するのだった。


 これが、きらきらアフロの「うん、とぅっきりとぅる」だったのか。
 西田がいい味を出しているのはもう当たり前なのだが、メグミも言っていた通り、岡田のツッコミは実にいい。台詞回しというのだろうかあの辺りが絶妙すぎるのだ。やはり力のある役者ということなのだろうか。だが個人的なことを言わせてもらえば、末っ子長男姉三人のようなコメディの入ってない役作りも好きだったりする。
 竜平の、前座の失敗で正吉との間に溝をつくっておいて今まで嫌っていた竜二に落語を習いに行く話しの作り方は素直にうまいと感じた。クドカンの話ではないが、脚本はセラピーの押し売りみたいなことを聞いたことあるのだが、全然そんなことはなくどこにでもある家庭の風景のような、でもそれを他所で口に出すことはない、そんなのを見せてもらってるような気がする。
 
 今回、饅頭怖いを予習するに辺り事前に故桂枝雀師匠の『枝雀落語大全』の饅頭こわいを聞いていたのだが、おでん屋台の主人・半蔵が居眠りしながら粗相をしてしまうネタなど、やはり細かいところに流用されているのがわかって非常におもしろかった。きっと川にでも落ちたのだろう。






饅頭こわい
次回「茶の湯」

posted by 群青 at 01:36| Comment(7) | TrackBack(13) | タイガー&ドラゴン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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